キーワード検索

害虫大辞典 日本昆虫学会名誉会長 安富和男氏 監修

害虫辞典

エゾアカヤマアリFormica yessensis Forel

エゾアカヤマアリはヤマアリ亜科(Formicinae)に属し、本州の中央部から北海道にかけて分布エゾアカヤマアリ しています。働きアリは体長約7mm、頭と胸は赤褐色、腹部は黒褐色です。
主に山地の明るい所に住み、落葉や枯草などを集めて円錐形の蟻塚<ありづか>を
作ります。塚は高さ50cmくらいで、いくつかの塚がアリの行列でつながっており、全体で一つの大きな巣になっている場合もあります。肉食性が強く、他の昆虫を襲って餌にします。
エゾアカヤマアリは気が荒くて人を咬み、さらに腹を前の方に曲げて蟻酸の毒液を噴出します。(写真)毒液は細い糸のようなしぶきとなって10cm以上も飛 びます。しかも集団で攻撃する性質があり、咬みつかれた傷口が痛みます。目に入ると非常に危険です。
このアリは一方では森林害虫を捕食する益虫でもあり、ヨーロッパでは害虫の天敵として大切に保護されています。