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害虫大辞典 日本昆虫学会名誉会長 安富和男氏 監修

害虫辞典

トビイロゴキブリ(Periplaneta brunnea BURMEISTER)

トビイロゴキブリはアフリカ原産で、トビイロゴキブリ南米、東南アジア、中国南部などの熱帯、亜熱帯地方からアメリカや日本にも分布をひろげています。
本種はワモンゴキブリに似ていますが、前胸背の輪紋を比べるとワモンゴキブリでは黄白色、トビイロゴキブリは鳶色(とびいろ)です。
成虫の体長は30~45ミリ、褐色で光沢があります。幼虫の色はワモンゴキブリよりもむしろクロゴキブリに似ています。

トビイロゴキブリは南九州から沖縄にかけて生息するゴキブリでしたが、1960年代から1970年代にかけて福岡、愛媛の両県や名古屋、さらに北海道にまでひろがりました。最初は南方からの貨物について侵入し、定着したようです。
トビイロゴキブリは低温に弱く、休眠性がありません。卵鞘中の卵数は24~28個、30~50日後に幼虫がふ化し、脱皮回数は10回、幼虫期間は6か月です。トビイロゴキブリはメスだけで卵を産む単為生殖も可能です。