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害虫大辞典 日本昆虫学会名誉会長 安富和男氏 監修

害虫辞典

ヒメイエバエ(Fannia canicularis LINNE)

ヒメイエバエはイエバエ科のヒメイエヒメイエバエバエ亜科に属し、イエ バエとともに代表的な家住性のハエです。ヒメ(姫)は小さいことを意味し、英名もLesser Houseflyといいます。
成虫の体長は6~7mmでイエバエより細長く、胸背に3本の黒色縦線があります。

ヒメイエバエのオスは室内の空間で円を描くように飛びます。この円形飛翔は交尾前の配偶行為で、蚊の蚊柱に似たものです。
季節消長はイエバエに似ており、本州以南では5~6月と9~10月の2回、北海道では7・8月にピークがあり、越冬態は成虫です。
幼虫の発生源は広く、厨茶、畜舎、鶏舎、堆肥、漬物桶から汲取便池など多様です。幼虫はウジらしい姿でなく、褐色、扁平で、各環節の背腹、側方に肉質突起 をもち、その上に棘が生えています。
屋外の軒下や木陰で輪舞しているのは近縁種のコブアシヒメイエバエなどです。