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害虫大辞典 日本昆虫学会名誉会長 安富和男氏 監修

害虫辞典

アカイエカ(Culex pipiens pallens Coquillett)

アカイエカは人家に最も普通の蚊で、アカイエカ英名をCommon house mosquitoといいます。成虫は灰褐色で、胸背部はわずかに橙色がかっています。和名のような赤い蚊ではありません。蚊の幼虫(ボウウラ)は、ハエの 幼虫(ウジ)と違って、頭、胸、腹の区分があり、とくにアカイエカなどのイエカ類ではっきりしています。
アカイエカの幼虫では腹端の呼吸管がヤブカ類に比べて細長いのが特徴です。 アカイエカのメス成虫は汚水溜めやどぶ川の水面に静止して、舟形の卵塊アカイエカの卵塊を産みます(写真参 照)。卵塊は卵舟とも呼ばれ、卵の数は約150個です。産卵直後は白色ですが、数時間後に黒くなります。
人間のほかには鶏からもよく吸血しますが大動物はあまり好みません。越冬態は成虫です。沖縄に生息するアカイエカは別亜種のネッタイイエカ C.p.quinquefasciatusであり、チカイエカも含めて「アカイエカ群」と呼びます。