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害虫大辞典 日本昆虫学会名誉会長 安富和男氏 監修

害虫辞典

ヒトノミPulex irritans LINN

全世界に分布し、人をはじめ数十種の哺乳類や鳥類から吸血し、もともとのヒトノミ(オス)原産地は南アメリカといわれています。
成虫の体長はメス2-4mm、オス1.5-3mm、頭部は丸くて大きな複眼をもち、頬の部分には眼の下、小顎近く後頭部の側方にそれぞれ1本の剛毛があり ます。
口器は針状にのびた上唇、剣状の大顎、三角形の小顎髪、舌状体から構成され、吸血に都合よく出来ています。
メスは1日に約10個の卵を疊の継目、疊下、床下に生みます。卵は黄白色で、ヒトノミ(メス)0.8mmの大きさで す。
孵化した幼虫は細長いウジのような姿でゴミの中に混じっている有機物を食べて育ち、3齢までを経過した後、繭をつくって蛹化します。
発生のピークは5月頃、次いで秋季といわれています。ネズミノミなどは冬も活動しますが、ヒトノミは冬には殆ど活動しません。