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害虫大辞典 日本昆虫学会名誉会長 安富和男氏 監修

害虫辞典

イッスンムカデBothropolys asperatus (L.Koch)

イッスンムカデはイシムカデ目<もく>Lithobiomorphaのイシムカデ科Lithobiidaeに属し、イッスンムカデ日本全国に広く分布する種類です。日本から記録されているイシムカデ科50種のうちイッスンムカデは代表的な種類であり、和名は体長3センチを一寸<いっすん>と表現したもの です。
体は全体濃褐色、大小の胴節が交互に並んでいて、歩脚は15対です。頭部の左右には単眼の数10個集合した目をもっています。
人家付近に多く、行動は敏捷です。繁殖期は初夏から初秋にかけてであり、メスは数百個の卵を1個ずつばらばらに産みます。産卵の時、メスは尾端を使って卵 の表面に土を塗り、地表や土中にそのまま放置します。抱卵・保護の習性はありません。
ふ化した1齢幼虫の胴節数は少なく、歩脚数も7対です。脱皮ごとに胴節数や歩脚数が増えて行く増設<ぞうせつ>変態をおこない、3年がかりで成熟します。