キーワード検索

害虫大辞典 日本昆虫学会名誉会長 安富和男氏 監修

害虫トリビア

「カツオブシムシ幼虫の護身」



ヒメマルカツオブシムシの幼虫は腹端に長い毛の束(たば)をもち「槍状毛」<そうじょうもう>と呼ばれています。アリなどの天敵が近づくと毛の束を扇状に開き、抜けた毛がアリの体にからみついて身動き出来ないようにします。

槍<やり>の形をした毛の柄にあたる部分には、図のように多くの棘があって有刺鉄線の役をするので、外敵は縛られた状態になってしまいます。有毒物質はなく、物理的な防御です。