害虫大辞典 日本昆虫学会名誉会長 安富和男氏 監修

害虫辞典

イガTinea translucens MEYRICK

イガは鱗翅目<りんしもく>のヒロズコガ科に属し、幼虫だけが毛織物、絹織物、イガの幼虫と巣カーペット(絨毯)を 食害し、成虫は食物をとることなく交尾・産卵を行います。
成虫は体長約4.5mm、前翅の長さ約6mm、光沢のある灰褐色、静止した時は翅を屋根形にたたみます。幼虫は繊維をかみ切って綴り合わせ、筒状の巣を作って中に潜んでいます。これはミノガ(ミノムシ)と似た習性であり、成長につれて巣を大きくして行きます。成熟幼虫は体長約6mmに達し、淡黄白色、頭部は黒褐色です。
卵から成虫の羽化までに約55日かかり、1年に3世代を経過して幼虫態で越冬します。