キーワード検索

害虫大辞典 日本昆虫学会名誉会長 安富和男氏 監修

害虫辞典

ヤケヤスデOxidus gracilis (C.L.Koch)

ヤスデの仲間は節足動物の倍脚網Diplopodaに属する小動物で、体は細長く、ヤケヤスデ頭部と胴部分かれています。はじめの3胴節には各1対、第4胴節以降にはそれぞれ2対の歩肢があり、これが倍脚網という名前のいわれです。
歩肢の数は17対以上で、なかには100対以上の種類があります。ヤスデ類は世界に約8000種、日本には約250種が生息し、大部分の種類は森林内で腐植質を食べ、土壌の改良の有効な働きをしています。
ヤケヤスデは全国に分布し、体長約2センチ、都市郊外や農村の人家付近に住み、大発生して屋内に入りこむので不快害虫の問題をしばしば起こします。更にヤケヤスデは単なる不快害虫にとどまらず、胴の側面から刺激臭のある毒液を出すので要注意です。
また、熱帯にすむ体長20センチの巨大なフトヤスデは毒液を2メートルも飛ばし、皮膚につくとその部分が暗褐色になります。